
先日、友だちと冬の京都を旅してきました。彼女とは、学生時代に一緒にバックパックを背負ってあちこち旅した仲で、映画も本も音楽も好きなものも、お互いに交換し続けてかれこれ14年になります。(改めて数えてびっくり!)
ホテルが近かったこともあり、朝から南禅寺を散策。季節なのか時間なのか、境内には人がぽつぽつとしかいない。一通り見てまわって、最後に一番奥にある小方丈へ。ここには、狩野探幽筆と伝えられる豪華な襖絵が並ぶ「虎の間」がある。誰もいなかったので、廊下に2人でじっとしゃがんで観ていると、強面の虎たちがいまにも飛び出してきそうですっかり圧倒されました。猫をモデルに描いただろうに、よくこんなに獣らしく描けるね。とお互いに猫と暮らしているものだから、なおさら感心してしまいました。
当時、お寺はテーマパークだったとどこかで誰かが言っていたけど、実際に虎をみたことがない人たちが虎をはじめてこの襖絵で知るのだから、ずいぶん話題になったことだろう。


次に南禅寺のはじっこにある小さな門を出たところにある金地院に向かう。美術の教科書にも載っていた長谷川等伯の「猿猴捉月図」(えんこうつきとらうのず)が観られると南禅寺の受付の人に聞いて行ってみたら大正解。照明が蛍光灯だったのが唯一残念だったけれど、ものすごく近くでみることができるし、ガイド付きだし、少人数でのんびり見て廻ることができる。ここにあるのは、全てオリジナルだそうで、そう聞いたからなのか400年もの時を経てきた存在感がやっぱりあるように感じられた。
肝心の「猿猴捉月図」のテナガザルは、6畳一間のこぢんまりした部屋の1面に描かれており、やっぱりピカピカの蛍光灯に照らされていました。ガイドさんに自然光で見せて欲しいとお願いして、灯りを消してもらうと、急にテナガザルの毛がふかふかとして感じられ、手を伸ばす水の中の月も揺らいでいるよう。灯りの違いだけで、全く違ってみえるものだなぁとすっかり感心してしまいました。

金地院で気持ちは満たされて、錦市場でお昼ごはん。その後、バスに乗って河井寛次郎記念館へ。
人柄がそのまま感じられる記念館って、ありそうでなかなかない。至る所に活けてある、水仙やチューリップなどの花たちもまた格別に凛として見えて、場所に力を与えている。NYのイサムノグチミュージアムと同じくらい、作家の意思を愛情を持って伝えている素敵な場所だなぁと改めて思う。
前回訪れたときに出会った猫は、記念館の猫だと今回はじめて知った。シマちゃんという名前らしい。(残念ながら、今回は会えなかったけど)猫のいる記念館だなんて、おおらかでとてもいいと思う。前回わたしが購入した寛次郎のエッセイをまとめた本「火の誓い」を、今度は友人が抱えて記念館をあとにした。



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