ここのところ雨で行けたり行けなかったりだけど、9月から毎朝近所の大きな公園を散歩するようになった。遊歩道を歩かないで、土の上を歩くのが愉しい。ケヤキやカエデの大木の幹を順番に触りながら、枯葉の上を音をたてて歩く。もうすぐ冬をむかえようとする木の葉が太陽の光を蓄える様子は、新緑の頃とは違った魅力があると思う。
木が主役の絵本はたくさんあるけれど、さとうさとるさんと村上勉さんの名コンビによる「おおきな きがほしい」は、兄が好きだったこともあって小さい頃よく読んでもらった。男子たちはこの絵本の「おおきな木」に憧れるようだけど、私は「木」そのものよりも木の上に建っている「小屋」に憧れた。台所のコンロの目の前に大きな窓があって、そこからめいっぱい緑が見える。まちの風景も見渡せるし、森の動物たちもじゃんじゃん遊びに来てくれる。
そんな憧れの「小屋」で主人公のかおるくんは、なんとホットケーキを食べたりする。大好きなホットケーキを、憧れの「小屋」で食べる贅沢。もしかしたら、この感じを私はずっと追い求めているのかもしれない、と思うくらいに当時かおるくんが眩しかった。
おはなしの最後に、かおるくんはお父さんと一緒に庭に木を植える。「まてばしい」というのが、その木の名前なのだが、聞いたことがない名前だったのですっかり忘れてしまっていた。調べてみると、「まてばしい」はブナ科の常緑高木で、細長くて食べられる「どんぐり」がなるらしい。幹は滑らかで、葉は楕円形で光沢があるというかおるくんの木を、今度公園で探してみようと思う。
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