アカデミー賞を受賞したドキュメンタリー映画「未来を写した子どもたち」を観ました。
原題:「BORN INTO BROTHELS:CULCUTTA’S RED LIGHT KIDS」(売春窟に生まれついて:カルカッタの赤線地帯のこどもたち)
アメリカの女性カメラマン、ザナ・ブリスキさんが、カルカッタの売春窟に滞在しながら、そこに住む子どもたちのための「カメラ教室」を開く。インスタントカメラを渡された子どもたちは、日常を撮影し、構図や現像の方法などを教わりながら、お互いの写真について批評し合う。そうした場で、表現する喜びだけではなく、自分の感情を明確に話す訓練と相手の意見を尊重しながら議論を交わす方法を学んでいくのです。
売春窟で生まれ育った女の子は、売春婦になる運命。男の子は薬物漬けになるか、闇の商売に手を染めていくしかない。そうした状況に置かれていたとしても、表現手段があるということがどれだけ希望を与えることができるのか、その可能性をこの映画は示してくれていました。
もちろん、この映画に登場する全ての子どもたちがそこから抜け出せるわけではなく、売春婦になることを選択せざるを得なかった子どもたちもいます。でも、少なくとも「未来は自分で選ぶことができる」というメッセージは子どもたちに伝わっていたように思います。

ザナ・ブリスキさんたちは「Kids with Cameras」という支援団体をつくり、カルカッタだけではなく、カイロ、ハイチ、イスタンブールでも、活動の輪を拡げて、それぞれの地域コミュニティの持つ特徴を活かした活動の方法をとっているようです。映画の配給以外にも、子どもたちの撮影した写真の販売や、写真集の制作・販売を行い、その売り上げで子どもたちのための学校「HOPE HOUSE」をつくる計画も進めているようです。映画をとるだけではなく、現地で地に足をつけた地道な活動へとつなげているところが、本当にすごいところだと思います。
この映画に出ているアヴィジットという少年は、地元の学校を卒業後、アメリカの高校に進み、いまはニューヨーク大学で映像の勉強をしているとのこと。「Kids with Cameras」のドネーションの欄には、「Avijit Scholarship Fund」とあって、直接支援できる仕組みもしっかりとつくられていました。こんなふうに顔が見える支援の仕組みをつくれたのも、映画があったからこそ。映像や写真の可能性についても、深く考えさせられました。
映画のDVDを購入費用の一部も子どもたちへ寄付されるそうなので、まだ観てない方はぜひ。
(写真は、未来を写した子どもたち公式WEBサイトから)
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